日本企業の中国撤退!その理由とは?製造業・工作機械業界への影響

近年、中国から撤退する企業が増加しています。

こうした経済的な変化によって、特に製造業や工作機械業界に深刻な影響を及ぼす可能性も少なくないでしょう。

この記事では、日本企業が中国から撤退する理由と、それが製造業・工作機械業界に与える影響について考察します。

目次

中国撤退が進む理由は「米中の貿易摩擦」

米中貿易摩擦とは、米国・中国間での貿易をめぐる対立を指します。

2018年、当時のトランプ大統領が「中国製品に25%の関税率を適用する」と決定したのをきっかけに米中貿易摩擦が始まったとされており、その後は両国が関税などをかけることで規制を強化する事態へと発展しました。

中国撤退の直接的な原因となったのは、米国「半導体製造関連エンドユース規制及びスーパーコンピューター関連エンドユース規制」を新設したことです。

当該規制では、以下4つの規制に加えて、直接製品規制(FDPR)の新たな3類型も新設されています。

・一定の用途向けは EAR99(リスト規制非該当品目)も対象品目。
・日本、米国等のホワイト国の企業の中国子会社向けも規制対象。
・日本国内企業向けや中国以外の国向けであっても、許可対象になり得る。
・規制対象エンドユースには純粋の民生エンドユースの場合も含まれる。

これは米国の中国に対する「半導体輸出禁止通達」です。中国は世界の半導体市場において、アメリカの半導体製造装置を使用して生産された特定の半導体チップを入手できません。

日本、米国などのホワイト国の企業の中国子会社向けも規制対象となるため、日本企業にも大きな影響を受けます。なぜなら、米国の半導体技術を活用する中国の半導体関連企業との取引を中止せざるを得ないからです。

参考:米国による対中輸出規制の著しい強化について

中国進出企業数の推移

中国に進出する日本の企業数は、主に撤退を理由に減少傾向にあり、その数は、過去10年で最少の1万2千社です。

2010 年の調査開始以降、中国への進出企業は1万社を超えており、引き続き日本企業の対中進出意欲の高まりがみられたが、2020年の調査時点から940社減少したほか、過去の調査で最も進出社数が多かった2012年(1 万 4394 社)からは1000社超減少するなど、中国に進出する日本企業数は減少傾向が強まっています。

2020年からの推移では、22年時点で拠点の閉鎖など「撤退・所在不明」が2176社、「倒産・廃業」が116社となり、累計2292 社が中国から撤退しました。一方、新たに拠点などを開設した「新規」は1352社判明しました。

参考:日本企業の「中国進出」動向調査(2022年)| 株式会社 帝国データバンク[TDB]

業種別の減少社数は製造業が最も多い

多くの業種で減少も、教育・メディカルケアなどの分野では増加業種別では、全体で最も多いのは製造業の5125社で、全体の約 4 割を占めました。

自動車や電化製品など機械器具製造関連で多く、自動車部品製造(137社)、金型製造(109社)、化学機械製造(79社)などが多く進出していたほか、幅広い産業で用いられる工業用プラ製品製造(153社)も多い結果となりました。

卸売業は4154社で、製造・卸売の 2 業種で全体の 7 割超を占めます。卸売業では、工業用の電気機械器具卸売(459社)が最も多く、婦人・子供服(184社)のほか男子服卸(96社)などアパレル産業の進出が目立ちます。

サービス業(1722社)は、受託開発ソフトウェア(428社)が最も多く、ゲーム開発などパッケージソフトウェア(101社)も含めると、サービス業全体の約 3 割をIT産業が占めます。

参考:日本企業の「中国進出」動向調査(2022年)| 株式会社 帝国データバンク[TDB]

まとめ

日本企業の中国進出は過去10年間で減少傾向にあり、特に撤退が増加しています。中国からの撤退企業数は2022年時点で累計で約2300社に上る中、主な撤退業種は製造業が多く、特に自動車や電化製品などの機械器具製造関連が大きな影響を受けています。

これにより、製造業や工作機械業界には供給チェーンの変動や景気の交代が進むリスクもあるでしょう。しかし、一方で新たなビジネスチャンスを求め、中国以外のアジア国や東南アジア諸国での進出を模索することで、新たな成長を追求する企業も見られます。

総じて、米中貿易摩擦とその影響は、日本企業にとって大きなチャレンジとなります。製造業や工作機械業界は今後の展望を見据えつつ、戦略の見直しや新たな市場開拓に取り組むといいでしょう。

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