インドの工作機械市場は、現在大きな変化の中にあります。
経済成長に伴って製造業の規模が拡大し、工作機械への需要も増加。一方で、インド国内の工作機械メーカーも生産能力の増強や技術開発を進めています。
今回、2025年発表の研究論文「インドの工作機械産業――躍進するトップ企業2社の成長のダイナミクス――」をもとに、インドの工作機械産業が現在どのような状況にあるのかを考えてみます。
そして、その成長市場の中で、日本の中古工作機械がどのような役割を果たせるのか、ダイナの取り組みとあわせて紹介します。
インドの工作機械市場は大きな変革期を迎えている
結論から言えば、インドの工作機械市場は、輸入機械への依存から、国内メーカーの成長を伴う新たな段階へ進んでいます。
研究論文によると、インドでは経済自由化以降、特に2005年頃から国内に設置される工作機械が増加しました。
当初は、自国の工作機械産業の基盤が十分ではなかったことから、海外からの工作機械輸入が急増。その後、市場の拡大に合わせるようにインド国内の工作機械生産も増加していきました。
近年では、国内生産と輸入が拮抗する状況にまで変化しており、現在のインドは、国産工作機械と海外から輸入される工作機械が競い合う大きな変革期にあると分析されています。
つまり、インドは単純な「工作機械を輸入する市場」ではありません。
市場そのものが拡大する中で、海外製工作機械を導入する企業と、インド国内で工作機械を製造する企業の両方が成長している市場なのです。
経済成長が製造業と工作機械需要を押し上げる
工作機械は、それ自体が最終製品ではありません。
自動車、二輪車、家電、電子機器、航空宇宙、医療機器など、さまざまな製品を製造するための基盤となる設備です。
研究では、工作機械産業の成長は、最終製品に求められる技術や生産規模と密接に関係すると説明されています。スマートフォン、EV、医療用製品、航空宇宙分野など、製品技術の進化とともに工作機械も高度化してきました。
インドでは今後も製造業の拡大が期待される中で、設備投資の選択肢も多様化していくと考えられます。
そこで重要になるのが、すべての企業が最新鋭の新品工作機械だけを導入するわけではないという点です。
設備投資には、
- 新品工作機械の導入
- 中古工作機械の導入
- 国内メーカー製設備の採用
- 海外メーカー製設備の導入
- 既存設備の更新
など、さまざまな選択肢があります。
生産する製品や加工内容、必要な精度、予算によって、求められる設備は異なります。
こうした多様な設備需要が存在することは、中古工作機械にとっても重要な市場環境だと考えています。
インド国内メーカーも技術開発と設備投資を加速
現在のインドでは、海外製工作機械を導入するだけでなく、国内メーカー自身も大きく動いています。
研究では、インドの工作機械メーカーであるBFWやACEの取り組みが紹介されています。
例えば、BFWは新工場の建設による生産規模の拡大や、生産方式への投資を進めています。また、ACEも新工場の建設や5軸同時制御加工機械の開発、高速主軸関連設備の導入などを進めているとされています。
これは、インドの工作機械市場が単に「海外製品の販売先」として成長しているのではなく、現地企業が自ら技術力と生産能力を高めようとしていることを示しています。
今後、インドの工作機械産業はさらに競争力を高めていく可能性があります。
一方で、市場が成長すればするほど、すべての企業が同じ設備を必要とするわけではありません。
高性能な最新設備を必要とする企業もあれば、実績のある日本製中古工作機械を導入し、設備投資を抑えながら生産能力を高めたい企業もあります。
だからこそ、幅広い設備選択肢を提供できることが重要になると考えます。
日本の工作機械が持つ技術力
日本は世界有数の工作機械生産国です。
研究によると、2022年の世界の工作機械生産規模は838億ドル。そのうち中国が271億ドルと最大の生産規模を持つ一方、日本は104億ドル、ドイツは102億ドルとされています。先進技術を活用した工作機械では、日本とドイツの企業がグローバル市場を支えていると分析されています。
また、日本の工作機械産業は、長い時間をかけて技術を蓄積してきました。
池貝鉄工所や大隈鉄工所などが日本の工作機械製造を支え、その後は海外技術の導入や技術提携を経て、独自の技術力を高めてきた歴史があります。
研究では、1952年から1981年までの間に、日本の工作機械メーカーが海外メーカーと161件の技術提携を結んだことも紹介されています。
現在、日本には長年使用されてきた多くの工作機械があります。
設備更新や工場移転、生産品目の変更などによって役目を終える機械もありますが、それらすべてが価値を失うわけではありません。
国内では使用されなくなった機械でも、海外では新たな生産設備として活用される可能性があります。
インド市場だからこそ重要になる「中古工作機械」という選択肢
工作機械への投資は、企業にとって大きな設備投資です。
特に生産能力を拡大したい企業にとって、限られた予算の中でどのような設備を導入するかは重要な経営判断になります。
そこで選択肢の一つとなるのが、中古工作機械です。
もちろん、中古機械であれば何でも良いというわけではありません。
メーカー、機種、年式、仕様、機械の状態などを確認し、それぞれの加工内容に合った設備を選ぶ必要があります。
しかし、新品だけでなく中古機械も含めて設備を検討することで、選択肢は大きく広がります。
インドの工作機械市場が今後も拡大していく中で、品質と実績を持つ日本製中古工作機械を必要とする企業は、今後も存在すると考えています。
ダイナの強みは「日本で仕入れて、インドまで届ける」こと
ダイナでは、国内で中古工作機械を買い取り、自社の倉庫やヤードで保管しています。
そして、国内販売だけでなく、海外のお客様への販売・輸出も行っています。
特にインドについては、これまでさまざまな中古工作機械を輸出してきました。
プレス機械をはじめ、さまざまな設備をコンテナに積み込み、海外のお客様へ届けています。
ダイナの強みは、単純に中古工作機械を販売するだけではありません。
国内での買取
まず、日本国内で使用されなくなった工作機械を買い取ります。
工場移転、設備更新、事業整理など、さまざまな理由で売却される中古工作機械について、機械の状態や市場性を確認します。
自社での保管・管理
買い取った機械は、自社の倉庫やヤードで保管。
大型の工作機械やプレス機械など、多様な設備を取り扱ってきた経験があります。
国内外への販売
国内市場だけでなく、海外の販売先も含めて機械の次の活用先を考えます。
国内では需要が限られる機械でも、海外市場を含めることで新たな可能性が生まれる場合があります。
輸出・コンテナ積みまで対応
海外向けの機械については、輸出に必要な手配だけでなく、コンテナへの積み込み作業なども行っています。
これまでのブログでも、実際の輸出事例やコンテナVAN詰めの様子を紹介してきました。
つまり、
日本国内で中古工作機械を探す → 買取する → 保管する → 海外のお客様へ販売する → 輸出する
という流れを、一つの事業として構築していることがダイナの大きな特徴です。
そして、インドに現地倉庫を開設
さらにダイナでは、インドでの事業展開を進めるため、現地に倉庫を整備しています。
インド市場の成長を単なる「輸出先」として見るのではなく、より現地に近い場所で中古工作機械を取り扱う体制を整える取り組みです。
インドの工作機械市場は、国内メーカーの成長、海外製機械の導入、製造業の拡大など、さまざまな変化が同時に進んでいます。
こうした市場では、日本から機械を輸出するだけでなく、現地の市場やお客様により近い場所で対応できる体制が今後さらに重要になると考えています。
ダイナでは、日本国内で培ってきた中古工作機械の取扱経験と、これまでの海外輸出実績を活かしながら、インド市場への取り組みをさらに強化していきます。
成長するインド市場とともに、新たな機械の流れをつくる
今回参考にした研究では、インドの工作機械産業について、企業、技術、製品、市場、顧客、経営といった要素が相互に関係しながら、産業全体がダイナミックに進化していると結論づけています。
インドの工作機械市場は、これからも変化していくでしょう。
インド国内メーカーの技術力も向上し、新品工作機械の市場も拡大していくことが予想されます。
その一方で、設備投資の選択肢として、日本製中古工作機械が果たせる役割もあります。
日本で使用されなくなった工作機械を、必要とする次のお客様へ届ける。
国内だけではなく、海外にも目を向ける。
そして、インドという成長市場に自ら拠点を構え、より市場に近い場所で事業を展開していく。
これが、ダイナが考える中古工作機械の新しい流れです。
まとめ
インドの工作機械産業は、輸入拡大を経て国内生産も成長し、現在は国産機と輸入機が競い合う大きな変革期を迎えています。
さらに、現地メーカーも新工場の建設や技術開発を進めており、インドの工作機械産業には今後も成長の可能性があります。
このような市場環境の中で、ダイナは、
- 日本国内で中古工作機械を買い取る
- 自社倉庫・ヤードで保管する
- 国内外の販売ネットワークを活用する
- 自社で荷役・コンテナ積みを行う
- インドへ中古工作機械を輸出する
- さらにインド現地に倉庫を整備する
という体制を構築してきました。
日本の中古工作機械を、必要とする世界の製造現場へ。
成長を続けるインド市場においても、ダイナは中古工作機械の買取・販売・輸出、そして現地展開を通じて、新たな価値を提供していきます。


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