【IMTS 2026】米国最大級の工作機械・製造技術展示会がシカゴで開催|日本企業の出展にも注目
2026年9月、米国・シカゴで世界最大級の製造技術展示会「IMTS 2026」が開催されます。
工作機械だけでなく、ロボット、自動化、AI、積層造形、計測技術など、世界の製造業を支える幅広い技術が集まるIMTS。今回、日本からも大手工作機械メーカーに加え、ジェトロが設置するジャパン・パビリオンを通じて、中堅・中小企業10社が参加します。
世界最大の製造市場の一つである米国で、日本企業はどのような技術を発信するのでしょうか。
今回は、IMTS 2026の概要と、日本企業の出展、そして今回の展示会から見えてくる製造業の最新トレンドについて紹介します。
IMTSとは
IMTSは、「International Manufacturing Technology Show」の略称で、米国を代表する製造技術・工作機械展示会です。
2026年は、9月14日から19日までの6日間、米国イリノイ州シカゴのMcCormick Placeで開催されます。
IMTS公式発表によると、IMTS 2026には1,800社を超える企業が出展し、展示面積は120万平方フィート以上となる予定です。
工作機械を中心に、
- マシニングセンタ
- NC旋盤
- 研削盤
- 5軸加工機
- 複合加工機
- ロボット
- 自動化システム
- 積層造形
- 計測・検査技術
- 製造ソフトウェア
など、製造現場を支える幅広い技術が展示されます。
IMTS 2026 開催概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 展示会名 | IMTS 2026 |
| 正式名称 | International Manufacturing Technology Show |
| 開催期間 | 2026年9月14日~19日 |
| 開催地 | 米国・イリノイ州シカゴ |
| 会場 | McCormick Place |
| 出展規模 | 1,800社以上(予定) |
| 展示面積 | 120万平方フィート以上 |
| 主な分野 | 工作機械、ロボット、自動化、AI、積層造形、計測、ソフトウェアなど |
IMTS 2026で注目される「自動化」と「工程集約」
今回のIMTSで特に注目したいのは、単なる工作機械の性能向上だけではありません。
現在の製造業では、人手不足や人件費上昇への対応として、「少ない人数で、より長時間・効率的に生産する」ことが重要なテーマとなっています。
IMTSが紹介する自動化技術では、以下のような技術が注目されています。
- 複合加工による工程集約
- ロボットによるワーク搬送
- パレットプール
- FMS(フレキシブル生産システム)
- バーフィーダーとの連携
- 無人・長時間運転
- CNC加工と積層造形を組み合わせたハイブリッド製造
例えば、従来は旋盤、マシニングセンタなど複数の機械を使用していた加工を、複合加工機1台で完結できれば、工程間の搬送や段取り替えを減らすことができます。
さらにロボットやパレットプールを組み合わせることで、夜間や休日を含めた長時間の自動運転も可能になります。
つまり、今回のIMTSでは、「高性能な工作機械」から「自動化された生産システム」へという製造業の変化を見ることができそうです。
日本の工作機械メーカーも多数出展
IMTS 2026には、日本を代表する工作機械・FA関連企業も出展します。
IMTSの公式発表では、新しい複合加工機、多機能機、ハイブリッド製造機、5軸加工機などを紹介する企業として、日本企業が多数挙げられています。
オークマ
オークマは新しい多機能・複合加工機や5軸加工機を紹介する主要企業の一社として掲載されています。
また、ロボットを工作機械と組み合わせた自動化にも注目が集まっています。
工作機械単体だけでなく、加工と自動化を一体化した提案が見どころとなりそうです。
ヤマザキマザック
マザックもIMTS 2026の主要出展企業の一社です。
新しい複合加工機や5軸加工機を紹介する企業として掲載されています。
また、「INTEGREX」をはじめとする複合加工技術や、パレットプール、自動化との組み合わせが紹介されています。
加工工程を集約し、自動化まで含めて生産性を高めるという方向性は、北米市場でも重要なテーマとなっています。
牧野フライス製作所
牧野フライス製作所もIMTS 2026で自動化・長時間運転を支える工作機械メーカーの一社として紹介されています。
特に、パレットプールなどを活用した自動化システムは、少人数での生産体制を構築する上で重要な技術です。
松浦機械製作所
松浦機械製作所もIMTS 2026に出展します。
松浦機械製作所は新しい複合加工機や5軸加工機を紹介する企業の一社として掲載されています。
また、IMTSの技術紹介記事では、複数工程を一台に集約する技術が、生産性向上や段取り時間削減につながるものとして紹介されています。
ジェイテクト
ジェイテクトもIMTS 2026に出展予定です。
新しい多機能・複合加工機などを紹介する企業として掲載されています。
さらに、ジェイテクトのパレットプールが、長時間の無人運転や多品種生産に対応する技術として紹介されています。
FANUC
FANUCもIMTS 2026において大きな存在感を示す企業の一つです。
ロボット技術の重要性を背景に、FANUCがSouth Buildingの前列に配置されることが発表されています。
また、工作機械とロボットを組み合わせ、ワークの投入・取り出しを自動化するシステムが紹介されています。
今後の工作機械業界では、機械メーカーだけでなく、ロボットメーカーとの連携もさらに重要になりそうです。
シチズンマシナリー関連
Marubeni Citizen-CincomもIMTS 2026に出展します。
同社も新しい工作機械技術を紹介する出展企業として掲載されています。
さらに、部品の自動排出や搬送などを含めた自動化生産セルが紹介されています。
ジェトロが8年ぶりにジャパン・パビリオンを設置
今回、特に注目したいのが、日本企業によるジャパン・パビリオンです。
ジェトロの発表によると、ジェトロは2018年以来8年ぶりにIMTSへジャパン・パビリオンを設置します。
ジャパン・パビリオンには、日本から中堅・中小企業10社が参加。
出展分野は、
- 精密加工技術
- 工作機械関連機器
- 計測・検査機器
- 自動化・省人化ソリューション
- 産業用部材
などとなっています。
IMTS 2026 ジャパン・パビリオン出展企業
| 企業名 | 本社所在地 | 主な出品物 |
|---|---|---|
| PiLink株式会社 | 神奈川県 | 産業用ラズベリーパイ |
| 株式会社向洋技研 | 神奈川県 | テーブルスポット溶接機 |
| 株式会社イノフィス | 東京都 | マッスルスーツ |
| 株式会社トコシエ | 東京都 | AI 3D CAD |
| パルステック工業株式会社 | 静岡県 | ポータブル型X線残留応力測定装置 |
| 株式会社TRINC | 静岡県 | クリーン環境機器 |
| パイフォトニクス株式会社 | 静岡県 | 安全用照明 |
| ムツミ工業株式会社 | 愛知県 | プレス金型、自動化設備 |
| 東海バネ工業株式会社 | 大阪府 | マシニングセンター主軸用皿ばね |
| 株式会社TriOrb | 福岡県 | 移動プラットフォーム |
出展企業の一覧については、ジェトロのIMTS 2026ジャパン・パビリオン発表で公開されています。
工作機械メーカーだけでなく、AI、計測、溶接、自動化、産業用部品など、幅広い日本の技術が米国市場に向けて発信される点も今回の特徴です。
なぜ今、米国市場なのか
ジェトロが2026年8月19日に発表した情報によると、「2025年度海外進出日系企業実態調査(北米編)」では、今後1~2年で事業を「拡大」する方向性を持つ在米日系企業は48.3%でした。
その理由の一つとして、「現地市場ニーズの拡大」が挙げられています。
米国は巨大な製造市場であり、航空宇宙、自動車、医療、半導体、エネルギーなど、多くの産業で設備投資が行われています。
一方で、人材確保や生産性向上は大きな課題です。
そのため、米国市場で求められているのは、単純に「高性能な工作機械」だけではありません。
少ない人数で、より多く、高品質な製品を生産できる技術への需要が高まっています。
この点で、日本企業が得意とする高精度加工、自動化、省人化、品質管理などの技術は、北米市場との親和性が高いと考えられます。
IMTSから見える製造業の3つの方向性
今回のIMTS 2026からは、今後の製造業における大きな方向性が見えてきます。
1.工作機械単体から「自動化セル」へ
IMTSの自動化特集では、工作機械メーカーがCNCだけでなく、ロボット、協働ロボット、パレットプール、バーフィーダーなどを組み合わせた生産セルを展示する動きが紹介されています。
これからは、「どの機械を導入するか」だけではなく、「その機械をどう自動化するか」が設備投資の重要な判断基準になっていきそうです。
2.工程集約による生産性向上
複合加工機や多機能加工機は、複数台の機械で行っていた工程を一台に集約することができます。
IMTSの技術紹介では、旋削とミーリングなどを一つのプラットフォームで行うことで、段取りやハンドリング時間を削減する技術が紹介されています。
人手不足が進む中、工程を減らすこと自体が自動化の一つになっています。
3.AI・デジタル技術との融合
今回のIMTSでは、工作機械やロボットだけでなく、AI、クラウド、製造データの活用も重要なテーマです。
IMTSの2026年会場構成に関する発表では、Automation Sectorにおいて、製造ライフサイクル全体の生産性を高めるインテリジェントなソリューションや、クラウド技術なども紹介される予定です。
「機械を動かす」だけでなく、
設備データを取得する
AIで分析する
生産計画を最適化する
といったデジタル技術の活用も、今後さらに進むと考えられます。
中古工作機械市場にも関係するIMTSの動向
IMTSは新品の工作機械や最新技術を紹介する展示会ですが、その動きは中古工作機械市場とも無関係ではありません。
最新設備への更新が進めば、これまで使用されていた工作機械が中古市場へ流通する可能性があります。
例えば、
- 最新の5軸加工機への更新
- 自動化設備導入による旧設備の入れ替え
- 複数台の機械を複合加工機へ集約
- ロボット導入に合わせた設備更新
- 生産拠点の再編
などです。
一方、日本国内では設備更新の対象となった機械でも、海外では十分に活用できるケースがあります。
特に、日本製の工作機械は、海外市場でも中古設備として需要があります。
そのため、新品工作機械市場でどのような設備投資が行われているのか、どのような技術が主流になっているのかを把握することは、中古工作機械の今後を考える上でも重要です。
最新設備が普及することで中古市場に流通する機械が生まれ、その機械が国内や海外の別の工場で再び活用される。
IMTSのような国際展示会は、こうした製造設備の循環を考える上でも注目すべきイベントといえるでしょう。
まとめ|IMTS 2026は世界の製造業の「次」を知る展示会
IMTS 2026は、単なる工作機械の展示会ではありません。
工作機械、ロボット、自動化、AI、積層造形、計測技術など、世界の製造業が今後どこへ向かうのかを知ることができる展示会です。
今回のポイントをまとめると、
- 2026年9月14日から19日までシカゴで開催
- 1,800社以上が出展予定
- 工作機械だけでなく、自動化・ロボット・AIも重要なテーマ
- オークマ、マザック、牧野フライス、松浦機械、ジェイテクト、FANUCなど、日本企業も出展
- ジェトロが8年ぶりにジャパン・パビリオンを設置
- 日本から中堅・中小企業10社が参加
- 北米市場では省人化と生産性向上へのニーズが高まっている
という点です。
特に今回のIMTSでは、「優れた工作機械を導入する」だけではなく、「工作機械を中心に、ロボットやデジタル技術をどう組み合わせるか」が重要なテーマになっています。
日本のものづくり企業が、世界最大級の製造市場の一つである米国でどのような技術を発信するのか。
そして、世界の製造業がどの方向へ進んでいくのか。
2026年9月に開催されるIMTS 2026は、工作機械業界だけでなく、中古工作機械業界にとっても注目したい展示会です。


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