こんにちは、株式会社ダイナの広報担当・松本です。
前回の記事では、2025年12月の工作機械受注速報について、前年同月比+10.6%と高水準を維持した という事実を中心にご紹介しました。今回は、その12月データを もう一段深く掘り下げて考察 し、2026年に向けた設備投資・中古工作機械市場への示唆を整理します。
参考:工作機械受注が教えてくれる日本株・世界経済(25 年12 月) | 藤代 宏一 | 第一生命経済研究所
12月受注は「一時的な回復」ではなく、基調の変化を示す可能性
2025年12月の受注額は 1,582億円。
前年比では伸び率がやや鈍化したものの、4か月連続で2桁成長 となりました。
注目すべき点は、以下の点です。
- 原数値ベースで2桁成長が継続
- 季節調整後でも前月比プラス(+3.3%)
- 3か月平均でも増加基調が定着(+3.7%)
短期的な「駆け込み需要」だけでなく、回復トレンドそのものが安定し始めている ことを示唆しています。
内需は弱いのではなく「遅れている」
一見すると、内需は前年同月比 ▲1.1%前後 と力強さに欠けます。
しかし、資料では次の点が指摘されています。
- 季節調整済み前月比:+12.9%
- 3か月平均:+0.2%とプラス圏に浮上
- 投資意欲自体は「弱くない」
内需が伸び切らない理由としては以下3点が挙げられています。
- 人手不足による設備導入の遅れ
- 受注残高・手持ち月数の積み上がり
- 新規受注を意図的に抑制している可能性
つまり、需要が無いのではなく、処理しきれないために顕在化していないという構図です。
外需は「量」だけでなく「質」が変わり始めている
外需は前年同月比 +15.1%、15か月連続プラスと極めて堅調です。
- 中国向け・米国向けがともに増加基調
- AI投資・データセンター投資が裾野を拡大
- 半導体単体から「フィジカルAI」へ関心が移行
特に重要なのは、これらの点です。
これは、工作機械やロボット、FA(ファクトリーオートメーション)といった 日本の製造業が強みを持つ分野 に、
投資の波が波及していることを意味します。
工作機械受注は「世界景気の先行指標」
資料では、工作機械受注とグローバル製造業PMI、TOPIX予想EPSとの高い連動性も示されています。
2025年12月時点では、世界製造業PMI:50超を5か月連続維持しており、米国・中国ともに景況感は底堅さがうかがえます。また、日本株・企業収益も増加基調です。
これらを踏まえると、工作機械受注の回復は偶然ではなく、世界経済全体の回復と整合的 です。
循環的に見た現在地|「回復初期」から「拡大局面」へ
受注循環図では、2025年後半から右上(回復・拡大局面)へ明確に移行し始めている と分析されています。
過去の経験則に従えば、今後も回復方向が継続する可能性があります。また、設備投資 → 中古工作機械の入替需要が発生、特に大型機・プレス・FA関連は動きやすいと考えられます。
中古工作機械市場への示唆
この流れを踏まえると、新規設備投資が進み、既存設備の売却・更新ニーズが顕在化するほか、外需主導による輸出向け中古工作機械の引き合い増加という構図が、2026年にかけて徐々に強まる可能性があります。
「今すぐ売却が増える」よりも、「売却を検討する企業が確実に増えていく局面」に入ったと見るのが現実的でしょう。
まとめ|12月受注は2026年への地ならし
2025年12月の工作機械受注は、以下3点の意味合いを持つデータでした。
- 数字以上に「質の改善」が進んだ
- 回復が一過性で終わる可能性は低い
- 2026年の設備更新・中古市場に向けた地ならし
今後も、単月の増減だけでなく、受注の「背景」と「構造」を見ながら動向を追うことが重要 になりそうです。


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