こんにちは、株式会社ダイナの広報担当・松本です。
今回は、2025年5月に発表された工作機械の受注統計速報をもとに、今の市場の動向について少し掘り下げて考察してみたいと思います。
工作機械の受注統計は、「今どれだけ機械が売れているのか」「国内外の製造業がどう動いているのか」を把握できる、大切なデータです。中古機械の取り扱いにも少なからず影響があるため、私たちダイナにとっても注目すべき指標のひとつです。
受注総額は前年より増加|外需が全体をけん引
2025年5月の工作機械受注総額は1,287億1,600万円。前月と比べるとやや減少(98.8%)したものの、前年同月比では103.4%とプラスとなり、堅調な動きが続いています。
特に目立つのが海外からの受注(外需)で、前年同月比106.7%と好調です。アジアを中心に、日本の機械に対する信頼や需要が続いていることがうかがえます。
一方で、国内の受注(内需)は前年同月比94.8%とやや弱め。生産設備の更新や新規導入のタイミングがやや慎重になっている様子もうかがえます。
中古機械業界への影響
このような傾向は、中古工作機械の業界にも影響を及ぼします。
海外からの需要が堅調であることは、私たちのように中古機械を輸出している企業にとっては追い風です。実際に弊社でも、ここ最近はインドやインドネシア、ベトナムといった国々への輸出案件が増加傾向にあります。
また、内需が落ち着いている今は、国内の工場で使われなくなった機械が市場に出てくるタイミングでもあります。工場の統廃合や設備更新のタイミングを逃さず、適切な査定と買取を行うことが、今後の営業戦略として重要です。
今後の見通し
第一生命経済研究所によると、中国の景気刺激策が功を奏しており、東アジアからの受注回復が受注全体を下支えしているとの分析もあります。
また、工作機械受注と連動性が高いと言われる「グローバル製造業PMI(購買担当者景況指数)」も回復基調にあるとのことで、中長期的には回復の流れが続く可能性が高いと見られています。
一方で、国内については、慎重な設備投資がしばらく続く可能性もあります。特に新車販売や個人消費の動きが鈍い中では、中小企業の投資マインドも慎重になりやすいという現実も無視できません。
参考:工作機械受注が教えてくれる景況感(25 年4月) | 藤代 宏一 | 第一生命経済研究所
まとめ
2025年5月の工作機械受注統計は、外需の好調さが全体を支える結果となりました。
- 海外からの注文は引き続き強い
- 国内は慎重姿勢が続いている
- 中古機械の海外輸出は今後も有望
- 国内の設備入れ替えや工場閉鎖案件には引き続き注目
今後の発表や経済の動きも見ながら、ダイナでは全国で中古工作機械の買取を進めてまいります。もし工場の閉鎖や設備の整理をご検討中の方がいらっしゃれば、ぜひお気軽にご相談ください。
次回の統計速報(6月分)は、2025年7月9日(水)に発表予定です。引き続き、市場動向を注視していきたいと思います。
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