DAINA JOURNAL

サーボプレスとは?仕組み・特徴と中古機の買取ポイント

サーボプレスとは

こんにちは、株式会社ダイナの松本です。

サーボプレスは、サーボモーターを利用してスライドの動きを細かく制御できるプレス機です。

自動車部品をはじめ、高い加工精度が求められる製造現場で使用されています。

「従来のメカプレスや油圧プレスとはどう違うのか」

ふと、こんな疑問を思ったことはありませんか?

今回は、サーボプレスの基本的な仕組みや特徴、メリットに加え、中古サーボプレスを売却する際に確認されるポイントまで解説します。

サーボプレスとはサーボモーターで動きを制御するプレス機

サーボプレスとは、サーボモーターを動力源としてスライドを駆動し、位置や速度などを細かく制御できるプレス機です。

サーボプレスでは、サーボモーターを制御することで、加工内容に合わせたスライドモーションを設定できます。

具体的には以下の動作が可能です。

  • 金型へ近づくまでは速く動かす
  • 材料へ接触する直前に速度を落とす
  • 加工部分では低速で動かす
  • 加工終了後は素早く戻す

サーボプレスの大きな特徴は、1回のストロークの中でも加工に合わせて動きを変えられることです。

サーボプレスの構造は機種によって異なる

「サーボプレス」といっても、すべてが同じ構造ではありません。

サーボモーターの回転を上下運動へ変換する方法には、ボールねじやクランク機構、リンク機構などがあります。

たとえばJANOMEのサーボプレスでは、サーボモーターの回転をボールねじによって上下運動へ変換し、ラムを動かす構造が紹介されています。

一方、大型の板金成形用サーボプレスでは、クランク機構やリンク機構を組み合わせた機械もあります。

サーボプレスという名称だけでは機械の構造までは判断できないため、中古機を確認するときも、メーカー・型式・駆動機構まで確認することが重要です。

参考:サーボプレスの構造とは? 基本的なしくみを分かりやすく解説|産業機器お役立ち技術コラム|株式会社ジャノメ 産業機器営業本部

従来のメカプレスよりモーションを柔軟に設定できる

サーボプレスと従来のメカプレスの大きな違いが、スライドモーションの自由度です。

一般的なメカプレスでは、クランク機構などによってスライドの動きが機械的に決まります。

サーボプレスでは、サーボモーターを制御することで加工途中の速度を変えたり、必要な範囲だけを往復させたりできます。

コマツ産機のサーボプレスでも、フリーモーションや振子モーション、反転モーションなど、加工に合わせた複数の動作が用意されています。

この柔軟な動作制御が、サーボプレスの大きな特徴です。

参考:コマツ産機「コマツ産機のサーボプレス – 省エネと高性能」
参考:コマツ産機「新型サーボプレス H1F-2」

油圧プレスとは駆動方法と制御方法が異なる

油圧プレスとサーボプレスの大きな違いは、プレスを動かす仕組みと制御方法です。

油圧プレスは、油圧ポンプで発生させた油の圧力や流量を調整し、油圧シリンダーによってスライドやラムを動かします。

一方、電動サーボプレスはサーボモーターを動力源とし、モーターの回転を制御することで、位置・速度・荷重などを細かく設定します。

特にサーボプレスは、加工内容に合わせて1ストロークの途中で速度を変えたり、必要な位置で動きを制御したりする「モーション設定」を行いやすいことが特徴です。

どちらも速度や加圧条件を調整できますが、以下の違いがあります。

  • 油圧プレス:油の圧力・流量を利用して動かす
  • サーボプレス:サーボモーターの回転を制御して動かす

ただし、油圧プレスにも高度な制御機能を備えた機種があるため、単純に「油圧プレスは制御できない、サーボプレスは制御できる」という違いではありません。

参考:コマツ産機「コマツ産機のサーボプレス – 省エネと高性能」
参考:JANOME「高精度なプレス装置とは?油圧プレス・空圧プレスとの違いを解説」

加工に合わせて速度を変えられるのが大きな特徴

サーボプレスのメリットを理解するうえで重要なのが、加工中の速度を変えられることです。

高速で下降 → 材料の直前で減速 → 成形 → 高速で上昇といった動作が可能です。

加工に必要な部分だけ低速にすることで、加工品質と生産性の両立を図れます。

また、下死点付近のスライド速度を調整することで、材料の特性に合わせた加工条件を設定できます。

この特徴から、従来のプレスでは加工条件の調整が難しかった材料や形状にも対応しやすくなっています。

ハイテンなど難加工材にも活用されている

サーボプレスは、自動車産業をはじめ、難加工材を使用する製造現場でも活用されています。

KEYENCEでは代表例として、高張力鋼板(ハイテン)やアルミニウム、チタン、マグネシウムなどの合金を挙げています。

特に自動車では、軽量化と高強度化のため高張力鋼板などが使用されています。

こうした材料では、加工速度やスライドモーションを調整することで、成形条件を細かく設定できるサーボプレスの特性が生かされます。

大型のサーボプレスラインは、自動車のボディパネルなどを成形する設備としても使用されています。

サーボプレスは金型への衝撃を抑えられる

スライド速度を細かく設定できることは、金型にも関係します。

金型と材料が接触する際の速度を抑えることで、加工時の衝撃を軽減できます。

ただし金型寿命は、以下の条件にも左右されます。

  • 加工材料
  • 金型設計
  • 加圧条件
  • メンテナンス
  • 生産量

「サーボプレスなら必ず金型寿命が延びる」と考えるのではなく、適切なモーション設定によって金型への負荷を抑えられる可能性がある、と考えるのが適切です。

中古サーボプレスでは制御系の状態も重要になる

中古サーボプレスを査定する場合、一般的なプレス機の基本情報に加え、サーボプレス特有の制御系も重要になります。

確認する代表的な項目は、以下の通りです。

  • メーカー
  • 型式
  • 製造年
  • 加圧能力
  • ストローク
  • ダイハイト
  • ボルスター寸法
  • サーボモーター
  • 制御装置
  • 操作盤
  • アラームやエラーの有無
  • 現在の稼働状態

サーボプレスは機械本体だけでなく、モーターや制御装置を組み合わせて動作します。

そのため中古機では、機械部分と制御部分の両方を確認することが重要になります。

古いサーボプレスも中古機として査定できる場合がある

サーボプレスは比較的新しい技術という印象がありますが、2000年代前半から使用されている機械も中古市場に存在します。

株式会社ダイナでも、2004年製のKOMATSU H1F200を実際に買取しています。

【買取した機械詳細】

  • メーカー:コマツ産機
  • 型式:H1F200
  • 製造年:2004年9月
  • 加圧能力:200トン(2000kN)
  • 取扱説明書・仕様プレートあり
  • 稼働状態良好

年式だけで判断するのではなく、型式や能力、機械の状態、制御装置、中古市場での需要などを確認したうえで査定します。

KOMATSU H1F200の買取事例については、ダイナの実績記事で紹介しています。

サーボプレスの売却では機械情報を確認する

サーボプレスの売却を検討している場合は、まず次の情報を確認してください。

  • メーカー
  • 型式
  • 製造年
  • 加圧能力
  • 現在の稼働状態
  • エラーや不具合の有無
  • 機械全体の写真
  • 銘板の写真
  • 操作盤の写真

取扱説明書や仕様書などが残っている場合は、あわせて確認しておくと機械の仕様を把握しやすくなります。

株式会社ダイナでは、KOMATSUをはじめ各メーカーの中古プレスを査定しています。

設備更新などで不要になるサーボプレスについても、機械の状態や中古市場での需要を確認したうえで査定します。

まとめ|サーボプレスはモーション制御が大きな特徴

サーボプレスは、サーボモーターによってスライドの動きを柔軟に制御できるプレス機です。

  • 位置や速度などを細かく制御できる
  • 加工に合わせてスライドモーションを変更できる
  • メカプレスや油圧プレスとは駆動・制御方式が異なる
  • 難加工材や高精度な加工にも活用されている
  • 中古機では機械本体だけでなく制御系の状態も重要
  • 2000年代製のサーボプレスにも買取実績がある

設備更新や工場整理などで不要になるサーボプレスがある場合は、処分する前に中古機として売却できるか一度ご相談ください。

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