製造業DX事例|樋口製作所に学ぶ“現場データ活用”とは

こんにちは。
株式会社ダイナの広報担当・松本です。

近年、製造業ではDX(デジタルトランスフォーメーション)が重要なテーマになっています。

しかし、DXといっても何をすればいいのか分からない、大企業しかできない取り組みではないのかと感じている企業も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、中小製造業でも実践されているDX事例として、株式会社樋口製作所(岐阜県)の取り組みをご紹介します。

参考:中堅・中小企業等における DX 取組事例集|経済産業省

目次

株式会社樋口製作所とは

株式会社樋口製作所は、岐阜県に本社を置く金属プレス加工メーカーです。

主に自動車部品などの精密プレス加工を手がけており、高品質な部品を安定供給することで多くのメーカーから信頼を得ています。

一方で、同社も多くの製造業と同じように、人手不足や技術伝承、品質管理といった課題を抱えていました。

そこで同社は、現場データを活用したDXに取り組みます。

DXの取り組み①製造データのデジタル管理

まず取り組んだのが、製造データのデジタル化です。

従来の製造現場では、作業者や金型、材料、加工条件などの情報が、紙や個人の経験に依存するケースが多くあります。しかし樋口製作所では、これらの情報をシステムで管理する仕組みを構築しました。

製造現場で入力されたデータを、基幹システム内のマスターとサーバーで照合を行います。正しい組み合わせの場合のみ、設備が稼働許可となる仕組みを開発しました。

これは簡単に言うと、間違った条件では機械が動かない仕組みです。

例えるなら、車のシートベルト警告や工場の安全装置のように、ミスを未然に防ぐ仕組みと言えるでしょう。

DXの取り組み②製品ごとのトレーサビリティ

樋口製作所では、さらに一歩進めて製品単位のトレーサビリティ管理も実現しています。

製品1個単位にIDを付与。材料から出荷までの工程情報トレースをデジタルで管理しています。

つまり、1つの製品に対して材料や設備、作業者、検査結果などといった情報をすべてデータとして残しています。この仕組みにより、不良原因の特定や品質改善、生産条件の最適化が可能になります。

DXの取り組み③AIによる技術伝承

製造業において大きな課題の一つが熟練技術者のノウハウ継承です。樋口製作所では、これをAIで解決する取り組みも行っています。

熟練エンジニアの思考を製品の特徴やごとにAIシステムにインプット。若手エンジニアはシステムから出力される最適解を基に業務を進められるようにしました。

これは、ベテランの経験をAIに蓄積する仕組みです。これによって若手でも最適な加工条件を判断できるほか、技術の属人化防止、生産品質を安定といった効果が期待されています。

製造業DXの本質とは

この事例から分かるDXの本質は、実はとてもシンプルです。

結論「現場のデータを活用すること」です。

ポイントは以下3点です。

  • 製造条件をデータ化
  • 工程情報を記録
  • 技術ノウハウを共有

これらを実現することで、製造業の競争力は大きく向上します。

まとめ

今回紹介した樋口製作所のDX事例を整理すると、以下の通りです。

・製造データをデジタル化
・設備稼働をシステムで管理
・製品単位のトレーサビリティ
・AIによる技術伝承

DXというと大規模な投資をイメージしがちですが、実際には現場データの整理から始まるケースが多いと言えるでしょう。

製造業のDXは、今後さらに加速すると考えられています。設備更新や生産体制の見直しが進む中で、中古工作機械市場にも影響が出てくるかもしれません。

今後も、製造業や工作機械に関する最新動向をブログで紹介していきたいと思います。

出典

資料名
DX取組事例集

発行
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)

URL
https://www.ipa.go.jp

※本文中の引用部分は原文をそのまま掲載しています。
※解説部分は資料内容を基に作成しています。


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