こんにちは、株式会社ダイナ 広報の松本です。
本日午後、2025年10月の工作機械受注速報が発表されます。
その前に、9月の確報値を振り返りながらを以下を予習しておきましょう。
- 今日の速報で見るべきポイント
- 中古工作機械市場の変化
- 価格・流通・海外需要の方向性
目次
9月確報の着地点
2025年9月 工作機械受注 確報値
| 項目 | 数値 | ポイント |
|---|---|---|
| 受注総額 | 1,391.5億円 | 3か月連続で前年超え |
| 前年同月比 | +11.0% | 回復基調が継続 |
| 内需 | 436.5億円(+5.1%) | 伸びは継続も勢いは鈍化 |
| 外需 | 955.0億円(+14.4%) | 牽引役は海外(特にアジア) |
- 回復傾向にあるが勢いは内需 < 外需
- 国内投資は“拡張”から“厳選&更新”にシフト
- 海外は“拡張+更新”の両輪でまだ強い
この構造差こそ、中古工作機械市場が動き始めるトリガーになります。
9月データを3つの視点で整理
① 需要の質が変わった
| フェーズ | これまで | 9月以降 |
|---|---|---|
| 企業の投資スタンス | まず入れる・増やす | 見極めて入れる・最適化する |
| 調達の優先 | 新品導入中心 | 新品 + 中古の併用が増加 |
| 重視ポイント | 生産量拡大 | 投資効率・即戦力・納期短縮 |
この変化が、中古機の評価軸そのものを変えています。
② 供給の逆転現象が発生
| 市場 | 状況 |
|---|---|
| 国内 | 更新目的の買い替えが増え、良質な中古が出始める |
| アジア | 生産拡大+設備更新の同時進行で“受け皿”となる |
→ 日本=供給源、アジア=需要地という構図が9月に完全に鮮明化する。
③ 「新品より安い」から「今すぐ使える」へ価値が変化
9月のキーワードは価格ではなく“即戦力性”です。
- 納期が読めない新品よりすぐ動く中古
- 最新型よりも“仕上がった即戦力”
- 価格差ではなく稼働開始の早さ
→ これが今のアジア製造業で中古機械が歓迎される理由です。
10月速報で注目するポイント
下記3つだけ押さえておけば、速報の本質が読めます。
| 注目ポイント | ここをチェック |
|---|---|
| ① 外需の比率 | 55%を超えているか? 60%に近づくか? |
| ② 内需の動き | 5%前後の維持か、さらに鈍化するか |
| ③ 総額の波形 | 1,350億を上回るか下回るか |
- 外需↑ 内需→ 総額↑ → 中古機の海外流通がさらに加速
- 外需→ 内需↓ 総額↓ → 国内放出の中古機が増える
- 外需↑ 内需↓ 総額→ → 輸出の競争が価格→品質へ移行
まとめ|今日の速報で転換を確認しよう
| 9月確報が示したこと | 今日の速報で確認すべきこと |
|---|---|
| 投資の目的が “増やす” → “整える” へ | その流れが10月も継続か |
| 需要の主役はアジア(外需) | 外需の強さが維持 or 加速か |
| 中古は価格勝負 → 即戦力勝負へ | 品質重視の市場拡大の有無 |
つまり、今日の発表は回復の継続を確認する日ではなく、シフトの継続を確認する日 です。10月速報が出たら、当ブログでも「中古工作機械市場視点」で読み解いてお届けします。


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