こんにちは、株式会社ダイナの広報担当・松本です。
明日(10月9日)、日本工作機械工業会(JMTBA)より2025年9月分の「工作機械受注統計」が発表されます。
ここでは、最新データを正しく読み解くために、前回8月の動向を改めて振り返り、9月以降の見通しについて整理しておきましょう。
8月の受注総額は1,158億円|2か月連続で前年同月比プラス
2025年8月の工作機械受注総額は1,158億円で、前年同月比+8.1%と2か月連続で増加しました。内訳を見ると、内需・外需ともに堅調で、とくに自動車・半導体・航空機関連の設備投資が支えとなりました。
- 内需(国内向け):401億円(前年同月比+7.8%)
- 外需(海外向け):757億円(前年同月比+8.3%)
前月比ではやや減少したものの、2024年後半から続く受注の底堅さが継続している点は注目すべきポイントです。
内需は自動車・航空機関連が堅調|省人化・自動化投資が背景に
国内市場では、依然として自動車・航空機分野の設備投資意欲が高く、省人化・自動化に向けた設備更新が進んでいます。特にプレス機やマシニングセンタなど「生産性向上」に直結する分野への投資が目立ちました。
一方で、中小企業の投資意欲は依然として慎重な姿勢が見られ、全体としては大企業主導の回復局面といえます。
外需はアジア・欧州で堅調|米国の一部減速は今後の焦点
海外市場では、中国・インド・ASEANなどアジア向けが回復傾向を示しました。特に中国市場では半導体・EV関連の需要が再び増加傾向にあり、欧州では航空機産業の投資再開が見られます。
一方、米国では金利高止まりの影響で一部業種の投資が鈍化しており、9月以降はこの動きが世界市場にどの程度波及するかが注目されます。
9月の結果と年末に向けた焦点
9月の受注統計では、3か月連続のプラス維持となるかが大きな焦点です。以下の要素が今後の工作機械市場の方向性を左右すると考えられます。
- 国内:自動車・電動化関連投資の継続
- 海外:中国・インドなど新興国の設備投資拡大
- 米国:高金利環境下での需要動向
明日の発表を受けて、工作機械業界は年末商戦に向けた重要な局面を迎えることになります。
まとめ
2025年8月は内需・外需ともにプラス成長を維持し、底堅い回復基調が続きました。
ただし、米国市場の動向や為替・金利など外部要因の影響もあり、9月以降の推移には引き続き注意が必要です。
明日の9月統計の結果を受け、工作機械市場のトレンドがどのように動くのか、最新データを注視していきましょう。
参考:工作機械受注、8月8.5%増 外需軸に根強い投資意欲|機械と工具の情報サイト「ツールナビドットジェーピー」
工作機械19社の通期見通し、受注下期以降の回復期待|機械と工具の情報サイト「ツールナビドットジェーピー」
日本工作機械工業会「工作機械受注速報(2025年8月)
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