こんにちは、株式会社ダイナの広報担当・松本です。
本記事では、2024年度(2024年1月〜12月)の世界の工作機械メーカー売上高ランキングTOP10をまとめました。工作機械業界の動向を把握したい方、競合分析を進めたい企業の皆様はぜひ参考にしてください。
世界の工作機械市場は回復基調に
世界の工作機械市場は、コロナ禍後の設備投資再開やEV・半導体産業の拡大を背景に2024年も堅調に推移しました。
特にアジア地域では需要が旺盛で、中国・日本・台湾・韓国が依然として主要な供給国となっています。
2024年の世界市場規模は約900億米ドル(約13兆円)と推定され、前年から約4〜5%の成長を記録しました。
【2024年版】世界の工作機械メーカー 売上高ランキングTOP10

順位 | 企業名 | 国 | 売上高(2024年) | 前年比 |
---|---|---|---|---|
1 | TRUMPF(トルンプ) | ドイツ | 約5,800億円 | +3.2% |
2 | DMG森精機 | 日本/ドイツ | 約5,200億円 | +2.8% |
3 | JTEKT(ジェイテクト) | 日本 | 約4,300億円 | +3.5% |
4 | Amada(アマダ) | 日本 | 約3,800億円 | +4.1% |
5 | Makino(牧野フライス製作所) | 日本 | 約2,800億円 | +3.0% |
6 | Haas Automation | 米国 | 約2,700億円 | +2.5% |
7 | Okuma(オークマ) | 日本 | 約2,500億円 | +4.8% |
8 | Hyundai WIA(ヒュンダイウィア) | 韓国 | 約2,300億円 | +2.0% |
9 | Shenyang Machine Tool(瀋陽機床) | 中国 | 約2,100億円 | +3.6% |
10 | Chiron Group(キロン) | ドイツ | 約1,900億円 | +2.2% |
※為替は1ドル=145円換算
※各社の決算資料・業界レポート(QYResearch, Statista, 日工会資料など)を参考に作成
トレンド分析|日本勢が上位を席巻
2024年度ランキングでは、日本勢がTOP10中5社を占め、依然として強い国際競争力を示しています。
特に「DMG森精機」「JTEKT」「アマダ」は欧米・アジアの市場で存在感を高め、海外売上比率の拡大が目立ちました。
また、欧州勢では「TRUMPF(トルンプ)」が引き続き世界1位を維持。レーザー加工機を中心とする高付加価値製品戦略が奏功しています。
市場動向と今後の見通し
2025年以降も、工作機械市場はEV・航空宇宙・半導体製造装置向け需要を中心に堅調な成長が期待されます。
一方で、地政学リスクやサプライチェーンの再構築などが事業環境に影響を与える可能性もあり、地域分散型の生産体制と中古機械の再活用がさらに注目されるでしょう。
まとめ|世界の工作機械市場は「質」と「スピード」で競争が加速
2024年のランキングを振り返ると、工作機械メーカー各社は単なる生産装置提供企業から、スマートファクトリーを支える技術パートナーへと進化していることがわかります。
国内外で設備更新・中古機械の活用ニーズが高まる今こそ、こうした動向を踏まえて戦略を立てることが重要です。
参考: Fortune Business Insights「Machine Tools Market Report 2024」
QYResearch – Global Machine Tool Market Report 2024
一般社団法人日本工作機械工業会(JMTBA) – 工作機械受注統計
コメント