MENU

工作機械受注は堅調なのか──2025年7月統計の背景を読む

こんにちは、株式会社ダイナ広報担当の松本です。
先日ご紹介したとおり、2025年7月の工作機械受注は 前年同月比+3.6%の1,283億円 となり、累計でも前年同期比+4.8%と堅調に推移しました。
では、なぜこのような結果になったのでしょうか。本稿では、その背景を整理し、現況を考察していきます。

参考:工作機械受注が教えてくれる日本株・世界経済(25 年7月) | 藤代 宏一 | 第一生命経済研究所

目次

外需が全体を牽引する構図

7月の最大の特徴は、外需が前年比+5.3%と10カ月連続でプラスを維持したことです。
背景には以下の要因が指摘されています。

  • 米国:省力化投資の継続。労働市場の逼迫を受けて、自動化・効率化ニーズが底堅い。
  • 中国:不動産市況悪化を受けた当局の景気対策が効果を見せ始め、資金供給(社会融資総量)が増加。政策支援が受注を下支え。
  • 欧州:ドイツを中心に、防衛関連需要が拡大。財政支出の増加が設備投資に波及している。

結果として、海外市場が日本の工作機械受注全体を押し上げる展開となりました。

内需は一服感

一方、内需は354億円(前年比▲0.7%)と横ばい
6月に自動車関連を中心に一時的な回復があったものの、7月はその反動で前月比▲11%と落ち込みました。

  • 自動車生産は回復基調ながら部品調達の不安定さが残る
  • 半導体関連では、AI向け分野を除くと需要の強さに欠ける

こうした要因から、内需は力強さを欠いています。今後の企業の設備投資計画次第では再び持ち直す可能性がありますが、足元では「小休止」と言えるでしょう。

受注サイクルと今後の展望

工作機械受注は、グローバル製造業PMIや株式市場の業績予想と高い連動性を持ちます。
7月のグローバル製造業PMIは49.7と50をやや下回り、世界経済は「拡大か縮小かの分岐点」にあります。

  • 米国:景気減速の兆しはあるが、設備投資意欲は底堅い
  • 中国:景気刺激策の効果が広がりつつあり、投資回復を後押し
  • 欧州:防衛需要が新しい設備投資需要を生んでいる

これらを踏まえると、工作機械受注サイクルは現在「底打ちから回復途上」にあると考えられます。

まとめ

  • 外需が強く、全体を押し上げている
  • 内需は一服感あるが、底堅さは維持
  • 世界的な投資サイクルは回復基調に入りつつある

したがって、2025年7月の結果は「外需に支えられつつ、回復局面に向かう途中の数字」と整理できます。
内需の持ち直しと海外需要の持続が確認されれば、今後の受注はさらに安定感を増すでしょう。

次回の統計発表は9月9日です。足元の動きが一時的なものか、それとも新しい成長局面の始まりか──注目していきましょう。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

お問合せ・お見積もりはLINEで簡単

中古機械の買取・販売ならダイナにお任せ!
「中古機械を他より高く売りたい」
「とりあえず見積もりしてほしい」
ダイナなら無料見積もりに即対応いたします!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次