こんにちは、株式会社ダイナの広報担当・松本です。
昨日は「国内製造業の再編と中古機械市場の関係」についてお伝えしましたが、今回はそこから一歩進んで、設備投資の回復と中古工作機械需要の関係を見ていきます。
2025年製造業の設備投資が再び動き出す
一般社団法人日本工作機械工業会(JMTBA)が発表した2025年9月の受注統計によると、工作機械の受注総額は1,373億円で前年同月比+9.9%と、再びプラス成長に転じました。
内需では自動車・半導体関連を中心に設備更新が進み、経済産業省の「機械統計年報」でも、2025年上期の設備投資額は前年同期比5.6%増と報告されています。こうしたデータからは、製造業の投資意欲が再び高まりつつあることが読み取れます。
新規導入だけでなく“中古機械の活用”が増加
新規工作機械の受注が回復する一方で、中古機械を活用したコスト最適化の動きも加速しています。
生産財マーケティング誌『SEISANZAI Japan』(2025年8月号)では、「設備更新の際に新台と中古を組み合わせて導入するケースが増えている」と報告されています。
特に最近では、以下の理由から中古機械の即納性とコスト優位性が見直されています。
- 納期の長期化(新台で6か月〜1年待ち)
- 為替影響による機械価格の上昇
- 短期間の試作・量産立ち上げ対応
当社でも、AMADAやコマツなど国内メーカーのプレス機をはじめ、即戦力となる中古設備の引き合いが増えています。
国内外で高まる中古機械の再評価
こうした国内の動きと並行して、海外からの需要も堅調です。
日本貿易振興機構(JETRO)の「海外製造業現地動向レポート(2025年版)」によると、インド・インドネシアなど新興国では、日系メーカーを中心に中古機械の導入が増加しています。
日本製中古機械は、耐久性と精度の高さから現地工場で重宝されており、日本国内で不要となった機械が海外で再び活躍する循環構造が生まれています。
今後も、製造業の再編・再投資の動きは続くと予想されます。
中古工作機械市場は、単なる“リユース”の領域を超え、ものづくりの新しい資源循環モデルとしてさらに注目を集めていくでしょう。
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