一般社団法人日本工作機械工業会は、2026年10月9日(金)15時以降に、2026年9月分の工作機械受注速報を発表する予定です。
8月分では、受注総額が前年同月を大きく上回り、2026年の工作機械市場が引き続き高い水準で推移していることが確認されました。さらに10月7日には8月分の確報も公表されています。
そこで今回は、明日の9月速報を前に、8月の工作機械受注で何が起きていたのかを改めて振り返ります。
8月の受注総額は1,978億6,700万円
2026年8月の工作機械受注確報は、受注総額1,978億6,700万円となりました。
前月比は102.5%、前年同月比は164.7%です。
| 項目 | 2026年8月 | 前月比 | 前年同月比 |
|---|---|---|---|
| 受注総額 | 1,978億6,700万円 | 102.5% | 164.7% |
| 内需 | 515億1,700万円 | 96.8% | 161.5% |
| 外需 | 1,463億5,000万円 | 104.6% | 165.8% |
前年同月比164.7%ですから、前年8月と比べると64.7%増となります。
前月比でも2.5%増えており、7月に一度減少した受注が8月には再び増加しました。
2026年夏の工作機械市場は、単月の一時的な増加ではなく、引き続き高い受注水準を維持していたことが分かります。
速報と確報の差はごくわずかだった
9月に発表された8月速報では、受注総額は1,978億8,000万円でした。
今回発表された確報は1,978億6,700万円です。
| 項目 | 8月速報 | 8月確報 |
|---|---|---|
| 受注総額 | 1,978億8,000万円 | 1,978億6,700万円 |
| 内需 | 515億3,300万円 | 515億1,700万円 |
| 外需 | 1,463億4,700万円 | 1,463億5,000万円 |
速報から確報への修正幅は小さく、前回の記事でお伝えした「前年を大きく上回る高水準の受注」という流れに変化はありません。
速報は市場の方向性をいち早く確認するデータですが、その後公表される確報まで確認することで、より詳しい業種別・地域別の動きも見えてきます。
7月から8月にかけても1,900億円台を維持
ここ数か月の受注総額を見ると、工作機械市場の水準の高さがより分かりやすくなります。
7月の受注総額は1,931億200万円。
8月は1,978億6,700万円となり、2か月連続で1,900億円を超えました。
| 月 | 受注総額 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| 2026年7月 | 1,931億200万円 | 150.4% |
| 2026年8月 | 1,978億6,700万円 | 164.7% |
7月は前年同月比50.4%増、8月は64.7%増です。
前月比だけを見ると月ごとに増減はありますが、前年との比較では非常に高い受注水準が続いている点が2026年の特徴といえます。
内需は前月を下回ったものの前年同月比61.5%増
8月の内需は515億1,700万円でした。
前月比は96.8%となり、7月からは3.2%減少しています。
一方、前年同月比では161.5%。つまり前年8月から61.5%増となりました。
さらに業種別を見ると、電気機械は約64億1,200万円で前年同月比310.4%、精密機械は約33億2,700万円で263.4%となっています。
電気・精密機械を合わせると約97億3,900万円、前年同月比292.6%でした。
一般機械も前年同月比158.8%、自動車も144.1%となっており、複数の製造業分野で前年を上回る受注が確認されています。
前回の考察記事ではAI・半導体関連を中心とした設備投資にも注目しました。
今回の統計だけで特定分野との因果関係を断定することはできませんが、電気・精密機械向けの受注が大きく伸びていることは、引き続き注目したいポイントです。
外需は1,463億5,000万円で受注全体をけん引
8月の外需は1,463億5,000万円。
前月比104.6%、前年同月比165.8%となりました。
受注総額1,978億6,700万円のうち、外需が約1,463億円を占めており、単純計算すると受注全体のおよそ74%に相当します。
2026年の工作機械市場を見るうえでは、国内需要だけでなく、海外製造業の設備投資が大きなポイントになっています。
中国・米国・インドでも前年を大きく上回った
8月確報では、海外の国・地域別受注も確認できます。
特に注目したいのが、中国・米国・インドです。
| 国 | 8月受注額 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| 中国 | 474億2,300万円 | 161.7% |
| 米国 | 445億9,900万円 | 185.2% |
| インド | 97億1,400万円 | 195.0% |
中国は前年同月比61.7%増、米国は85.2%増、インドは95.0%増となりました。
アジア全体では738億6,000万円、前年同月比171.0%。
北米全体でも499億5,400万円、前年同月比171.8%となっています。
株式会社ダイナでは、日本国内で買い取った中古工作機械をインドをはじめとする海外市場へ輸出しています。
新品工作機械の受注統計と中古工作機械市場をそのまま同一視することはできませんが、海外製造業で設備投資が活発化しているかを確認する指標の一つとして、外需の動きは今後も確認していきたいところです。
1〜8月累計は1兆4,460億9,800万円
単月だけではなく、2026年に入ってからの累計も前年を大きく上回っています。
2026年1〜8月の受注総額は1兆4,460億9,800万円、前年同期比140.9%でした。
| 項目 | 2026年1〜8月累計 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 受注総額 | 1兆4,460億9,800万円 | 140.9% |
| 内需 | 3,776億5,000万円 | 130.4% |
| 外需 | 1兆684億4,800万円 | 145.1% |
受注総額は前年同期比40.9%増。
特に外需は45.1%増となっており、2026年の受注拡大を海外需要が強く支えている構図が累計数字からも見えてきます。
明日の9月速報では「高水準が続くか」に注目
そして明日、2026年10月9日(金)15時以降に9月分の工作機械受注速報が発表される予定です。日本工作機械工業会の統計ページにも次回公表予定日として記載されています。
今回の速報で注目したいのは、主に3点です。
- 受注総額が引き続き1,900億円前後の高水準を維持するか
- 8月に前月比で減少した内需がどう動くか
- 受注全体をけん引している外需の強さが続くか
特に重要なのは、単純な前月比だけではありません。
8月まで前年同月比で大幅なプラスが続いているため、9月についても前年との比較でどの程度の受注水準を維持できているかを見る必要があります。
また、速報ではまず受注総額・内需・外需を確認し、その後の確報で業種別・国地域別の動きを詳しく確認していくことになります。
まとめ|8月の高水準は9月も続くのか
2026年8月の工作機械受注確報は、受注総額1,978億6,700万円、前年同月比164.7%となりました。
内需は515億1,700万円、外需は1,463億5,000万円。
2026年1〜8月累計でも1兆4,460億円を超えており、2026年の工作機械市場は前年を大幅に上回る受注が続いています。
また、確報を見ると中国・米国・インドをはじめとする海外需要に加え、国内でも電気・精密機械など複数の分野で前年を上回る動きが確認されました。
では、この高い受注水準は9月も続いているのでしょうか。
明日10月9日15時以降に発表予定の2026年9月工作機械受注速報についても、株式会社ダイナのブログで速報としてお伝えする予定です。


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